耐水性があって接着力のある有機材料は漆以外つい最近まで存在しなかった。
文化財関係の全てに漆は使われているが、現在でも食器の他に仏壇や位牌でもかなりのものが漆塗りである。神輿も同様である。
工芸品や美術品としてではなく、実用品としての漆器は日本全国で依然として作られている。しかし、漆器の具体的な形状を見ることは少ない。
著者が個人的に収集した食器を中心とした写真を以下に示してある。ほとんどの漆器産地ではあらゆる漆器が作られているが、しかし、それなりに特徴を持っている。
ここに示したものはあくまでも個人が購入できる程度の価格のものでしかないが、漆器の現状を知るには多少なりとも役立つものと信ずる。(これらの漆器はすべて著者が収集したものであり、写真も著者の撮影による)